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2023年8月22日

防災の日に子どもの安全を見直したい、防災頭巾と防災ヘルメット

防災の日に子どもの安全を見直したい、防災頭巾と防災ヘルメット

9月1日は防災の日

日本は、国土で言えば世界の0.25%しかありませんが、M6以上の地震発生割合は実に18.5%もあります。

1923年(大正12年)9月1日に発生した関東大震災では、お昼時の地震で発生した火事が、台風の影響と昔ながらの木造建築が災いして、焼損棟数22万1718棟、焼損面積540万9,282坪の大火災が発生し、死者行方不明者10万5,000人という甚大な被害をもたらしました。

日本は台風の発生も多く、国土技術情報センターによれば年平均11.5個の台風が日本に接近しています。このため、「地震・台風・高潮・津波等災害についての認識を深め、これに対する心構えを準備する」ために制定されました。

みなさんのご家庭では、備えは大丈夫でしょうか?

子どものいる家庭で見直してほしい!防災頭巾の意味

防災頭巾を使ったことがありますか?今現在でも義務教育の場において、学校指定の商品を準備する地域が少なくありません。

防災頭巾は第二次世界大戦時の「防空頭巾」が始まりで、モノのない時代にあり合わせで準備推奨された落下物から頭を守る防災グッズです。その安全性を改めて検証すると、様々な課題が指摘されています。

文部科学省『地震防災研究を踏まえた退避行動等に関する作業部会(第6回)』の議事録を見てみると、危機管理教育研究所も国崎委員の発言に防災頭巾に対する問題を的確に指摘した意見がありましたので、以下に抜粋して紹介します。

先進国で子どもに防災頭巾をかぶせている国が日本のほかにあるでしょうか。防災頭巾が地震のときに有効であると信じるのであれば大人もかぶればいいと思います。現状、かぶるのは子どもばかりです。日本の防災対策について取材するために来日した海外の記者から、日本で防災の日に子どもたちに学校でかぶせているものは、あれは何だという質問を受けました。あれは防災頭巾だと説明したら、地震・防災調査研究の最先端をいっている日本で子どもにかぶせているものであるから、すばらしいものであろう、その素材は何でできているのかと再度問われたので、綿と木綿でできていることを説明しました。海外の記者はその回答に信じられないと驚いておりました。

それで本当に頭を守れると日本の国民は考えているのかと問われたのです。それは女性と子どもを差別している男尊女卑の思想にあるのかとも聞かれました。戦時中から男性だけがヘルメットをかぶり、女性・子どもは防災頭巾で守れという差別意識が防災にまだ残っているのかと問われ、回答に窮したことを覚えています。

ヘルメットメーカーで行われたヘルメットと頭巾を比較した落下物からの衝撃実験結果からも、防災頭巾は地震には頭を保護するものではないことが科学的に明らかにされています。それでも日本では、今もなお、むかしからの慣習によって子ども達に防災頭巾を与え続けているのです。このような環境を変えていかなければ助かる命も守れません。今回の作業部会をその機会として、退避行動の要件にヘルメット、地震が起きたときには頭部を守るためにヘルメットを備えるということを強く意識づけていただきたいということを思っております。学校、幼稚園、保育所などの教育施設等において一日も早くヘルメットが整備されることを望みます。

文部科学省『地震防災研究を踏まえた退避行動等に関する作業部会(第6回)』

望まれる教育現場のヘルメット整備

防災ヘルメット

一般的な企業の場合、防災グッズとして防災頭巾が用意されている会社は聞いたことがありません。必ずヘルメットが整備されています。もちろんママ写ん!編集部も防災ヘルメットです。ではなぜ防災頭巾ではないのでしょう?
危機管理教育研究所では具体的に以下の点を指摘しています。

(1)防災頭巾は布と綿で出来ている

防火加工されていなければ意味がなく、家庭にあるもので作られた場合や、耐熱耐火性能が表示されていない商品は危険

(2)防災頭巾は視界を妨げる

顔の側面を覆われて視界を妨げる。また、耳が塞がれているので音を捉えにくく、危険察知や避難誘導に気付きにくい

(3)防災頭巾は衝撃に弱い

もし、落下物がコンクリート片だった場合、防災頭巾程度の布と綿では命に係る危険が及ぶ

あたかも風習や慣習の様に受け継がれてきた防災頭巾ですが、こうして考えてみると、最愛のわが子を守る防災グッズとしては不十分だと言わざるを得ません。

保護者の皆様一人一人が課題を理解し、行動していくことが求められる時だと言えるのではないでしょうか。

防災用ヘルメットと自転車用ヘルメットの違い

改正道路交通法の施行で、すべての自転車利用者のヘルメットが義務化されました。同じヘルメットなら自転車用でよいのでは?と思われる方もいるかもしれませんが、自転車用ヘルメットと防災ヘルメットでは根本的に機能が異なります。
防災用は特に落下物に対して衝撃を緩和する設計ですが、自転車用は転倒や衝突時にヘルメット自体が割れることで衝撃を吸収し頭部への直接的な衝撃を防ぐ構造となっています。

自転車用ヘルメットは主にSG基準に合格したSGマークのあるものを選びます。
防災ヘルメットは、厚生労働省が定めた国家検定合格品を選びましょう。
下の写真にある【労(年月)・検】と書かれたラベルがあるものが合格品です。

防災ヘルメット

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Amazonを調べてみると、安心できる国内メーカー製の国家検定合格品が手ごろな価格で販売されています。

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子供用防災ヘルメットまとめ

災害の備えとして、水や食料・燃料などの確保はとても大切です。しかし何よりも命を守ることを優先することが大切です。大切なお子さんを守る防災ヘルメットについて、今年の防災の日にご家族で考えてみてはいかがでしょうか。

企画:編集部
記事:編集部

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